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ポーカーとは何か【Pokerの歴史】

ポーカーとは
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生涯獲得賞金60億円越え』と聞くとどのプロスポーツが頭に浮かびますか?

この金額はプロ野球、プロサッカー、プロゴルフではなく現在生涯獲得賞金ランキング世界1位のJustin Bonomo(ジャスティン・ボノモ)がポーカーで稼いだ金額で、37歳の今もなお世界のトップで活躍している彼の獲得賞金額は今後も増えていくでしょう。

世界と比べると国内での認知度がまだ低くギャンブルという悪い印象を持たれがちなポーカーですが、世界にはプロポーカープレーヤーというポーカーのみで生計を立てている選手が数多く存在し、子供がなりたい職業ランキングでもランクインするほどポーカーは人気があり、夢があります。

この記事では

・ポーカーの歴史

・ポーカーがどういったゲームなのか

・競技人口1億人以上までどのように普及していったのか

・日本国内でのポーカーの現在と今後

について記載していますので、是非最後までお読みいただき少しでもポーカーへの理解を深めていただければと思います。

目次

ポーカーの起源と発展

ポーカーの起源はペルシャのアル・ナスというゲームを基に構成されたと言われており、現在のトランプを使用したポーカーはアメリカで19世紀以降から普及しました。

各プレーヤーに5枚のカードが配られ、自分のカードを交換して役を作るドローポーカーが1855年に出来ました。私たち日本人はポーカーと言えばドローポーカーという認識を持っている方が多いと思います。

最初に配られる1枚だけ伏せられ、その後はラウンド毎に1枚ずつ表向きにカードが配られるファイブ・カード・スタッド・ポーカーがアメリカで1860年代から普及し、トランプゲームの一環として家庭でプレーされるようになりました。

文字通り“ファイブ・カード”なので計5枚、プレーヤーにしか見れない1枚の伏せられたカードと全員が見れる表向きの4枚で役を作り勝負します。

1930年代になるとセブン・カード・スタッド・ポーカーが普及し始めました。

文字通り計7枚のカードを使い勝負するのですが、最初の2枚は伏せられた状態で配られ、3枚目~6枚目は各ラウンドごとに1枚ずつ表向きに配られ、7枚目は再度伏せられた状態で配られるゲームで、最終的には3枚の伏せられたカードと、4枚の表向きのカードの中から5枚を使用し役を作って勝負します。

スタッド・ポーカーはファイブ・カード、セブン・カード共に各ラウンドごとに賭ける(ベットする)アクションがありますが、ゲーム序盤の段階では自分の役が完成するのか、またどれくらい強い役が出来るのか不明確なためギャンブル性が高く、運要素が強いゲームと言えるでしょう。

セブン・カード・スタッド・ポーカーが発展してきた1980年代以降、テキサスホールデムやオマハといったフロップポーカーが普及し、現在はテキサスホールデムがカジノで行われている主流ゲームとなっています。

ポーカーのゲーム理論

将棋、囲碁、チェスなどは情報が見えるため完全情報ゲームの部類に入りますが、ポーカーは相手の伏せられたカードの推測が必要で、全ての情報が開示されていないため不完全情報ゲームとなります。ポーカーは不完全情報ゲームだからこそ、運要素以上にレベルの高い推測力、心理学、統計学の理解が必要となります。

トランプは1つのデッキに52枚、スペード、ハート、ダイヤ、クローバーがそれぞれ13枚あり、テキサスホールデムは各プレーヤーに2枚のカードが伏せられた状態で配られるため、自分の役を完成させるのに必要なカードがあと何枚残っているのか(オッズ)が推測できます。これを数学的側面と言い、ポーカーをプレーするうえで重要となってきます。

数学的側面に加え、ポーカーは対プレーヤーとなるため相手のプレースタイルや自分自身についての理解力が重要となり、トッププレーヤーはこの心理的側面の部分が上手く、数字的側面と共に理解を深め、プレーすることによって長期的な利益を生み出すことが出来ます。

ポーカーの種類

ポーカーは大きく下記3つのカテゴリーに分けられています。

ドローポーカー

ドローポーカーの特徴は原則自分のカードは相手に見られないため、情報量が少なく相手の癖、ベットする金額等など心理的側面で行われることとなります。

5枚のカードが配られ、任意の枚数のカードを変えて役を作るドローポーカーは日本でも認知度が高く、ポーカーといえばドローポーカーという認識を持っている方々が多いでしょう。

スタッドポーカー

ドローポーカーの発展版と言われるのがこのスタッドポーカー。プレーヤーのカードが配られる1部は表向きになり、ある程度の情報が相手プレーヤーに開示されることとなります。

情報が開示されているからこそ、相手プレーヤーの役の強さを推測することができ、自分の役の強さとの比較を行うことができるため、ドローポーカーに比べ高度な駆け引きが必要となります。

フロップポーカー

フロップポーカーはテーブル上に開かれるコミュニティカード(全プレーヤーが共通して使用できるカード)を使用し役を作るゲームで、現在主流となっているゲームです。

カードは伏せた状態でプレーヤーに配られ、自分にしか見えないカード(ホールカード)とコミュニティカードを使用するためフロップポーカーはより接戦になるため、より高度でシビアな駆け引きが相手プレーヤーと繰り広げられます。

スタッドポーカーでは相手プレーヤーの前にA(エース)が4枚表を向いていれば、相手にAのフォーカードが完成しているという情報が開示されているため駆け引きの必要はありません。

フロップポーカーでコミュニティカードにAが4枚出ていた場合はどうでしょう?

全プレーヤー同じ役のA4枚ともう1枚のハイカード勝負となるため、K(キング)を持っているか否かという駆け引きが行われます。現在最も普及しているフロップポーカーの一種がテキサスホールデムでその競技人口は日本でも近年伸び続けています。

高まるポーカーの知名度

テキサスホールデムは1980年代以降から普及し始めましたが、起爆剤となったのは2003年のWorld Series of Poker(ワールド・シリーズ・オブ・ポーカー)というラスベガスで行われる世界大会のメインイベントでしょう。

Chris Moneymaker(クリス・マネーメーカー)というカジノでのトーナメント参加経験がないアマチュアプレーヤーである彼が、わずか86ドルのオンラインサテライト(出場権利を得ることが出来る予選)を通過し、参加したこの大会で839人の頂点に立ち見事優勝を成し遂げたのです。

2003年の大会の優勝賞金は250万ドル、その当時のレートで3億円弱の賞金を彼は手にしたのです。当時彼は故郷のアメリカテネシー州で会計士として働いており、アメリカの会計士の平均年収約550万円の54年分を獲得した彼の様子はアメリカ全土に放映され、『彼に出来るなら自分にも』とアメリカンドリームを夢見るプレーヤーが押し寄せました。

この効果はMoneymaker Effect(マネーメーカー エフェクト)と呼ばれ、彼の効果でポーカーの人口はまたたくまに増加し、2003年にはわずか839人だったメインイベントの参加者も2022年には8,663人となり、優勝賞金は1000万ドルで個人スポーツの賞金としては世界最高額となっています。テキサスホールデムは世界中で爆発的な人気を博し、カジノで行うポーカー=テキサスホールデムとして現在認知されています。

2022年のメインイベントでは日本人プレーヤーが86位に入賞し8万6千ドルを獲得しており、年々世界で戦える日本人プレーヤーも増えてきています。

日本のポーカーの現在と未来

ポーカーと聞くと殆どの人がドローポーカーと認知していたため、日本ではテキサスホールデムはそこまで普及しておらず、競技人口もわずかで世界で戦えるプレーヤーは片手で数えられる程しかいませんでした。また日本の法律上カジノの運営が出来ないのも日本でポーカーが普及していない要因の1つでしょう。

しかしテキサスホールデムの世界的普及、ゲーム性の面白さから日本でも徐々に広まりつつあり、実際にお金を賭けることは出来ませんが、アミューズメントカジノでポーカーの仮想キャッシュゲーム(リングゲーム)やトーナメントが楽しめるようになってきました。

リアルマネーでポーカーをプレーすることが出来るため、オンラインポーカーを主戦場とするポーカープレーヤーも増加してきました。

一般的にプロスポーツはその道を極めた人しかプレーすることができないため、どんなに願っても大谷翔平と同じフィールドで対戦することは実現しませんが、ポーカーはトッププロとプレーする機会が誰にでもあるのも魅力の1つです。

日本国内でも大型のポーカーの大会が2000年以降行われ始め、人気は年々増す一方でメジャーな大会の1つJapan Open Poker Tour(ジャパン・オープン・ポーカー・ツアー)の直近のメインイベントは1,241人が参加し優勝者には2万4千ドル分の選手契約がオファーされました。

その他日本で行われる主要大会は下記になります。

  • Japan Open Poker Tour (ジャパン・オープン・ポーカー・ツアー)
  • World Poker Tour /WPT Japan (ワールド・ポーカー・ツアージャパン)
  • KK Poker
  • 戦国ポーカー
  • SPADIE
  • Japan Poker Festival/JPF (ジャパン・ポーカー・フェスティバル)
  • All Japan Poker Championship/AJPC (オール・ジャパン・ポーカー・チャンピオンシップ)
  • Top of Poker Championship/TPC (トップ・オブ・ポーカー・チャンピオンシップ)

ポーカーと聞くとギャンブルと考える方もいるかもしれません。もちろん

カードゲームなので運要素もありますが、それ以上に優れたプレー技術、洞察力、推測力、心理的側面を深く理解しプレーする必要があるため、高い思考能力を必要とするマインドスポーツとしてその地位を確立しています。

長期的利益を出すプレーヤーはその時の運以上に上記のスキルを兼ね備えているのです。

欧米諸国では『プロフェッショナル ポーカープレーヤー』を職業とし、専業としていて生計を立てているプレーヤーが多く存在します。

日本国内のポーカーの競技人口は日に日に増加しており、プレーヤーのレベルも上がってきていますが、獲得賞金世界1位の選手は5,800万ドル、日本人プレーヤーの獲得賞金ランキングトップは230万ドルと海外へのトーナメントへ出向かう必要があるとはいえ、世界トップと日本トップの差は歴然です。

世界との差を埋めるには日本国内にもカジノが設立され、世界レベルの大会を主催しポーカーの競技人口のさらなる増加、レベルの底上げが必要です。

2016年12月には統合型リゾート整備推進法案、いわゆるカジノ法案が成立し、カジノを含めた複合施設建設への動きが進んでいます。資金調達や、ギャンブル依存症や治安面などを懸念する反対の意見も未だに多い現状ですが、私たちが思っている以上に日本国内にカジノが設立される未来はそう遠くはないのかもしれません。

カジノ法案の動向が今後の日本のテキサスホールデム普及の鍵を握っていると言っても過言ではないでしょう。

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