ポーカーにおけるスターティングハンドって何?
ポーカーを始める上で最初のうちは用語がたくさん出てきます。その中で「スターティングハンド」について今回は解説をします。
スターティングハンドとは
現在世界的に主流なポーカーは2枚のカードが伏せられた状態で配られ、5枚のコミュニティカード(全プレーヤー使用できるもの)を使用して強い役を争うテキサスホールデムと言われています。
各プレーヤーに配られる2枚のホールカードをスターティングハンドと呼びテキサスホールデムではこのスターティングハンドが重要な役割を果たし、勝負の行方を左右します。
スターティングハンドは2枚同じカードが配られるポケットペアとそれ以外の組み合わせに分類され、2枚配られた時点でペアが出来ている状態はわずか6%と確率的に少なくなっています。
ポケットペアと言われるスターティングハンドは22~AAまで計13種類あり、AAが1番強く22のポケットペアに比べ強さは大きく変わるため、同じポケットペアでもプレーの適応力が必要となります。
コミュニティカードとは違い、この2枚のカードはあなたのみ使用できる相手に情報が開示されていないカードです。
各プレーヤーに2枚配られたラウンド(プリフロップ)でプレーに参加するか否かの判断が必要となるため、スターティングハンドの強さ、勝率、期待値、その都度のシチュエーション等を深く理解する事が不可欠です。
スターティングハンドはポーカープレーヤーにとって刀のようなもので、悪いハンドでもなんでもかんでも参加していいということではなく、より強いカードでプレーすることで必然的に自分の勝率が相手よりも高い状況が多く生まれ利益的となります。
ポーカーはAが1番強く、2が1番弱いことを理解している方は多いと思いますが、どのようなスターティングハンドがあり、強いハンドと弱いハンドはどのように見分けるのかをこの記事を基に理解を深めましょう。
ポケットペアとは
冒頭でも記載した通りポケットペアとは22やAA等同じランクのカードの組み合わせとなります。
Aが1番強いカードのため、プリフロップの時点でAAは169あるスターティングハンドの中で1番強いスターティングハンドとなります。AAは1対1(ヘッズアップ)の局面の場合相手がどのようなハンドを持っていても約81%の勝率があり、ポケットペアの中で1番弱い22でも相手がポケットペアでなければ約50%の勝率があります。
ヘッズアップの際にポケットペアを持っていれば最低でも約50%以上の勝率がありますが、これは相手のハンドをランダム化した場合のため、もし相手が自分より強いポケットペアを持っていた場合勝率は約17%と著しく下がります。
下記の例を見てもわかる通り同じスターティングハンドの22でも相手プレーヤーのホールカードによって勝率が大きく変わってきます。
AK vs 22 (勝率約50%)、33 vs 22 (勝率16.39%)
相手がポケットペアでなければ自分のポケットペアは強いですが、例え自分がKKで2番目に強いスターティングハンドを持っていても相手がAAを持っていれば勝率は約17%しかないということを覚えておいてください。
ポケットペアの中でも強弱があり、大まかに下記のカテゴリーに分類されます。
ローポケット: 22, 33, 44, 55
ミドルポケット66, 77, 88, 99, 1010
ハイポケット: JJ, QQ, KK, AA
原則ランクの高いカードのポケットペアを自分が持っている場合は相手が自分より上のポケットペアを持っている可能性が低くなるため、プリフロップの時点では自分が勝っている可能性が高いでしょう。
コネクター
コネクターとは文字通りカードが続き(コネクト)になっている組み合わせで、ストレート(連続した5枚の役)等を作りやすいハンドとなっています。
45や89, J10等がコネクターと呼ばれますが、23はどうでしょう? 2枚続いていますが、23をコネクターと呼ばないプロも多く存在します。
89であれば 5~Qの8枚の中で5枚連続しストレートが作れるのに対し、23はA~6の6枚の中からストレートを作る必要があり、ストレートの実現性およびスターティングハンドとしての期待値も低くなります。
A2は3~5の3枚、、KQは9~Aの6枚が必要なためストレートの実現性は少ないですが、AやK,Qのランクが高いカードが含まれているため、ストレートの役が出来なくても強いワンペアを作ることが出来、23等に比べると非常に戦いやすいスターティングハンドとなり、期待値も必然と高くなります。
スーテッド
トランプにはスペード、ハート、ダイヤ、クラブ4種類のスートがあり同じスート2枚のカードが配られるとスーテッドとなり、フラッシュの役を作りやすいハンドとなります。
フラッシュを作りやすいのですが、スーテッドとオフスートの勝率はわずか3%〜4%程しか変わらないため、スーテッドに過度な期待値を求めないよう気をつけましょう。
K5スートvs AA と K5オフスート vs AA。K5の勝率は4%程しか違いません。
スーテッドコネクター
10 9、54、 J10等2枚コネクトしているうえ、スートも同じ組み合わせのハンドをスーテッドコネクターと呼びます。
ストレートとフラッシュ双方の役を作りやすいため、多くのプレーヤーが好むスターティングハンドです。勝率は22〜23%程ですがヘッズアップの際の対AA、KK等の強いポケットペアに対して最も勝率が高いスターティングハンドがこのスーテッドコネクターです。
スーテッドコネクターは投機的なハンドと言われ、プリフロップでの勝率は低いですが、開かれるコミュニティカード次第では強い役を作る可能性を秘めています。
プリフロップの時点で勝率が低いスターティングハンドで参加している(リスクを背負っている)ため、スーテッドコネクターで勝つときは大きく勝つ事を目標にプレーすることを心掛けましょう。ペアを作り勝つこともありますが、このようなハンドでペアを作った場合はキッカー相手が同じペアと強いもう1枚のカードを持っている可能性があるので慎重にプレーしましょう。
下記の例では同じ10のペアが出来ていますが、相手プレーヤーが10と共にAを持っており、10と共にJを持っているあなたよりハイカード(キッカー)を持っているためA10の勝利となります。
ギャッパー/スーテッドギャッパー
下記のハンド例の様に1つ以上開いているハンドをギャッパーと呼び、スートが同じであればスーテッドギャッパーと呼びます。
86は1つ間隔があるためワンギャッパ、K10は2つ間隔があるためツーギャッパー、J7は3つ間隔があるためスリーギャッパーと呼びます。
コネクトしていないためスターティングハンドとして強くない印象もありますが、76スーテッドと97スーテッドは勝率も殆ど差がないため同程度の強さと考えてください。
ギャッパーをプレーする際のメリットはストレートを完成した際に相手に読まれにくいことがあげられます。
76スーテッド vs AA、97スーテッド vs AA。勝率はわずか1%しか違いません。
プレミアムハンド
言いやすいためなのかプレミアハンドと呼ぶ方もいますが、正しくはプレミアムハンド(Premium Hand)と言います。プレミアムハンドはAA、KK、QQ、JJ、AKスーテッド、AKオフスート、AQスーテッド等を含みます。
これら上位ランクのスターティングハンドが配られた場合、プリプロップ時点では自分が1番強い可能性が高いため、レイズやリレイズ(スリーベット)をし早い段階からポットの構築を行いましょう。ポットを構築する目的以外にも、レイズやリレイズを行うことにより対戦相手の人数を減らし出来るだけヘッズアップの展開に持っていくようにしましょう。
AAはヘッズアップであれば80%以上の勝率を誇りますが、対戦相手が多ければ多いほど勝率は下がり、下記のように対3人相手だと勝率は約50%まで下がり、2回に1度は負けてしまう計算となります。
配られる機会が少ないプレミアムハンド。勝率も高いため過度な期待や執着してしまうため負けているとわかっていても降りることが出来ない人も多くいます。
KKはAKやAQ等にプリフロップの時点で約70%の勝率がありますが、フロップでAが落ちてしまえば形勢は逆転しAを持っているプレーヤーが断然有利となります。このようなシチュエーションでは損失を最小限に抑えることも必要となってきます。配られるカードは自分でコントロール出来ないので深く考えず、最大限の利益と最小限の損失を目指しプレーするようにしましょう。
ご参考までに上位トップ10のスターティングハンドは下記になります。
AA➣KK➣QQ➣JJ➣AKスーテッド➣1010➣AKオフスート➣AQスーテッド➣99➣AJスーテッド
強いスターティングハンドと弱いスターティングハンドの区別は出来ましたでしょうか? 忍耐力が無く参加するべきでないハンドでも参加してしまうプレーヤーはプリフロップの時点でリークが出てしまっておりこの弱点は損失に繋がることが非常に多いです。
ハンド選択は非常に重要で、各ハンドの勝率や期待値、どういったシチュエーションでどのようなハンドをプレーするべきか否かの理解を深め、ポーカープレーヤーとしてステップアップしましょう。