ポーカーのルールを一通り覚え、初心者を抜けた人が強くなるために必ず覚えなければならないものがハンドレンジの表です。
しかし、最初に配られる2枚の手札の通りはたくさんあり、全てを完璧に覚えようとすると気が遠くなりますよね。
そんな人のために今回はハンドレンジの覚え方を紹介。効率よく覚える方法や、そもそもなぜハンドレンジを覚えたほうがいいのかなど説明します。ハンドレンジを覚えられたら、完全に初心者を脱して、ポーカー中級者になれるので、ぜひ頑張って覚えましょう!
ハンドレンジとは
ハンドレンジとはプリフロップで自分に配られる2枚のホールカードが勝負において有利に戦えるかどうかを示す指標となるものです。
配られたホールカードがフロップ以降で勝てるのかどうかをしっかりと見極められるようになると、勝てない試合に無駄に参加したりして、チップを減らす機会をなくせるようになります。
ハンドレンジを検索したときに、よく出てくる表のようなものがありますよね。表は「ハンドレンジ表」と言われ、見方が分かると、どの組み合わせの手札が自分にやってこれば勝負に参加すべきかどうかが一目でわかります。
しかし、UTGやSBなどポジション別で勝負に参加するべき手札は変わってきます。また、前のプレイヤーがレイズしたかどうかなどによっても、また別のレンジ表を覚えなければなりません。
この複雑さが初心者がハンドレンジを覚えられないと思ってしまう原因です。たしかに、たくさんの組み合わせがあって、難しいように思えますが、全てを完璧に覚える必要はありません。
最初はなんとなくで覚えていても、必ず暗記できるようになるので安心してください。
ハンドレンジの覚え方
ここからは、実際にハンドレンジ表の覚え方をご紹介します。しかし、覚え方といっても語呂合わせのような画期的な覚え方があるわけではありません。
どこでも見るような当たり前の覚え方ばかりですが、結局は以下で紹介する覚え方が暗記の早道になるのです。地道だと思うかもしれませんが、中級者になるためにもこれから紹介する方法をぜひ試してみてください。
ハンドレンジ表の全体像を捉える
まずはカラーのハンドレンジ表を見て、全体の形を捉えていきましょう。
こちらの表を例にお教えします。上記はオープンレイズでのUTGのハンドレンジです。緑の色で塗られているのが、レイズするべき手札になっています。
上記の表にはざっくりとした特徴がありますよね。例えば、Aとスートが同じ数字がきた場合は必ずレイズすることがこの表からは読み取れます。また、5以上のポケットペアもレイズすることが分かります。
このように表をざっくりと捉えると、なんとなくレイズするべき手札が分かってきますよね。最初はこんなふうに覚えていくのがオススメ。
もう一つ例を見てみましょう。
こちらはオープンレイズのSBのハンドレンジです。黄色マスはコール、数字の%でレイズを表しています。
先ほどのUTGよりもいいポジションに座っているので、ハンドレンジよりもレイズすべき手札が増えていますね。ですが、特徴は似ています。
先ほどは、Aのみが同じスートがきたら必ずレイズしていましたが、SBでは範囲がJまで拡大。ポケットペアも全ての数字でレイズもしくはコールになっています。
実はUTGからSBまでのオープンレンジのハンドは縮小することなく、必ず拡大します。そのため、UTGとSBの範囲さえ覚えていけば、その間のポジションはなんとなく範囲が分かってきます。
このように最初と最後のポジションのハンドレンジを覚えれば、残りのポジションは範囲内で変動すると考えていけば、ざっくりとしたハンドレンジは覚えたようなものになります。
重要なのは、完璧に覚えようとするのではなく、全体像で覚えること。ざっくりと捉えるのを意識すれば、暗記が苦手な人でも大体は覚えられるはずですよ。
実践で感覚をつかむ
ひたすら座学で暗記して勉強するだけでは意味がありません。実践で自分が勝てると感じるハンドレンジを覚えていくのも重要な覚え方です。
そもそも、ハンドレンジ表とはあくまでレイズやコールをする目安でしかありません。自分のプレイスタイルによって、幅を変えていくのが、覚えるよりもさらに重要な項目となります。
例えば、自分が勝負にあまり参加しないタイトなタイプなら、レイズする手札の幅も狭まりますよね。反対に、積極的に勝負に参加するルースなタイプなら幅は広がります。
以上のように、自らのプレイスタイルによってもハンドレンジは変わっていくので、勝てるハンドを覚えるためには、実践も重要になってきます。「習うより慣れろ」といったことわざがあるように、実践のほうがより脳に染みつくので、ある程度のハンドレンジを覚えた後は実践あるのみですよ!
アプリを活用する
アプリを活用して、模擬実践のように覚える方法もかなり効果的です。
ハンドレンジを覚えるために、ゲームアプリを使って実践したり、実際に友人や同志たちとポーカー場などで練習するのもありですが、お金がかかったり、考える時間がなかったりと難しいところですよね。
しかし、ハンドレンジを覚えるためのアプリであれば、無料でダウンロードできて、考える時間もあるので、簡単に効率よくハンドレンジを覚えられるようになっています。
おすすめのアプリは練習問題をやっているうちに、苦手な範囲を記憶して、集中的にハンドに持ってきてくれる『プリフロトレーナー』です。
実践する機会がなかなか取れない人はひとまずアプリで覚えていくのもいい方法になりますよ。
ハンドレンジを覚える3つのメリット
ハンドレンジの覚え方は分かったとしても、そもそもなぜハンドレンジを覚える必要があるのかと疑問に思う方は多いのではないでしょうか。
ざっくりとゲームに勝ちやすくなるとは思っているでしょうが、それではまだ甘いです。
そこで、ここからはハンドレンジを覚えるメリットを3つ紹介します。メリットまでしっかりと把握しておくと、理解度も深まり、暗記するモチベーションにも繋がりますよ。
プリフロップでゲームに参加するか判断できる
ハンドレンジを覚える最も大きなメリットがゲームに参加するかどうかを判断できるようになることです。
勝てる可能性の低いハンドでゲームに参加しても、チップを取られるだけです。無駄にチップを減らさないようにできると、必然的に負けにくくなります。
例えば、UTGで♡2と♤6が配られて、「ストレートが作れるかもしれない!」とレイズしていては、自分よりレベルの高い人に負け続けます。しかし、ハンドレンジを知っていれば、上記の手札でレイズなんてしませんよね。
このように無駄なリスクを避け、勝てそうな試合だけに参加できるようになるのが、ハンドレンジを覚える最大のメリット。勝負どころを間違えないのも立派なポーカープレイヤーになるための必須条件です。
相手のハンドを予測できる
ハンドレンジを知って入れば、相手のハンドもざっくりと予想できてしまうのです。
なぜなら、中級者以上のプレイヤーは大抵の人がハンドレンジを知っていて、全員がハンドレンジに従って行動しているからです。つまり、ハンドレンジを知っていれば、相手のアクションでどれくらいの強い手札を持っているか予想しやすくなります。
例えば、あまりゲームに参加しないタイトなプレイヤーがUTGで強気のレイズを仕掛けてきたとします。すると、そのときのUTGの手札はAAやAK、KKなどといったプレミアムハンドの可能性が高いのではないかと推測できます。
推測ができるようになると、相手の手札は見えているも同然ということ。つまり、勝負に勝ちやすくなりますよね。もちろんブラフの可能性もあるかもしれませんが、ハンドレンジを知っているからこそできる駆け引きも生まれ、より楽しくポーカーも楽しめます。
対戦相手をひっかけることができる
中級者以上になるとハンドの読み合いが起きはじめます。そんなときに、ハンドレンジを知っていれば、相手の思考を逆手に取りやすくなります。
なぜなら、相手もハンドレンジを知っているから。「そのポジションでレイズするのか…」と相手に余計な思考を与えられるので、ブラフが通りやすくなります。
例えば、あなたがタイトなプレイスタイルでHJの位置にいたとします。今回のゲームでどうしても勝ちたいけど、手札はあまりよくありません。
しかし、そのタイミングでレイズすると、以降のプレイヤーは、あなたのプレイスタイルでレイズするということはかなりいいハンドなのかもしれないと、フォールドしてくれるかもしれません。
そして、そのまま全員をフォールドさせて勝つといったパターンも生まれます。
このようにハンドレンジを知って入れば、相手の思考の裏をかいて、弱い手札でも勝てる可能性がぐっと上がるので、一つ勝ち方を増やせるようになるのです。
ハンドレンジを忘れないためには?
結論から言うと、ハンドレンジを忘れないためには「継続」するのみ。
人は一度暗記したものでも、長い間何もしなければ大抵を忘れてしまうもの。そのため、継続してやり続けるのが、忘れないためのもっともよい方法とされています。
ハンドレンジ表の暗記でも同じことが言え、一度暗記したからといって、ポーカーから離れてしまうと、復帰したときに細かい部分を忘れてしまいます。
毎日少しだけでもいいので、ポーカーをする時間を取って、実践でハンドレンジ表を頭に思い浮かべてプレイしていれば、かなりの期間忘れずに定着します。
論理的な方法で忘れないようにしたいと考える人は「エビングハウスの忘却曲線」に従った暗記法などを参考にすると、効率よく暗記できると思いますよ。
ハンドレンジを覚えて有利にポーカーを進めよう
ハンドレンジの暗記は中級者以上でのポーカーの試合を有利に運ぶための必須の条件と言えるでしょう。ハンドレンジ表を覚えると、ゲームに参加するかどうか判断できたり、相手をダマせたりとメリットがたくさんあります。
ですが、ハンドレンジ表はポジションごとに異なり、オープンレンジやコールレンジでも変わってきます。そのため、覚えるのが嫌になって諦めてしまう人も多いかもしれません。
そのような方は難しく考えないでください。何も完璧に覚える必要はないうえに、実践していくうちにある程度までは勝手に覚えてしまいます。
なので、今回紹介した覚え方も参考にして、楽しくハンドレンジを覚えましょう。ハンドレンジを覚えた先には、より高度な駆け引きをおこなうさらに楽しいポーカーが待っているので、ぜひハンドレンジを覚えて、より楽しいポーカーを体験してみてください!